研究概要 |
Pseudomonasaeruginosa JI104の3つのC230のうちの一つXylE_<JI104>はTOLプラスミド上のC230、XylE_<TOL>と一次配列上、非常に相同性が高い。両者の基質特異性の傾向はかなり似ているが、4-chlorocatecholに対する反応性だけが異なっている。先頃、ビフェニル分解において1つ目の芳香環のメタ位開裂を行う酵素BphCの3次元立体構造がX線結晶解析で解かれた。この情報によるとXylE_<JI104>、XylE_<TOL>の両者で異なるアミノ酸残基が連続している283-286位の領域はBphCにおいてビフェニルの開環しない方の芳香環に接していて、2次構造的にはループ構造を形成している。 そこで、XylE_<JI104>の283-286部位をランダムに改変して4-chlorocatecholに対する反応性が変化したものを選択することを目的に以下の実験を行った。 C230遺伝子(xylE_<JI104-1>)をコードするプラスミドpCY385を鋳型にして、変異をかけたい部分を含むようにPCRプライマーをデザインする。この際、両プライマーの5'末端を4塩基混合物によりランダムなアミノ酸配列になるようにしておく。PCR後のサンプルはDpnlで処理する。大腸菌のdamメチラーゼによりGATCのAがメチル化された鋳型DNAは、Dpnにより分解され、変異の導入されたものだけが分解されずに得られる。こうして得られたライブラリーよりcatechol,4-chlorocatecholを噴霧して黄変するコロニーを43個分離した。この中には(Act_<Cat>/Act_<4CICat>)が9や0.1といった値を取るものもあった。(XylE_<JI104>は0.2〜0.3、XylE_<TOL>は0.7<。)
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