研究課題/領域番号 |
08750928
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 伸介 大阪大学, 工学部, 助手 (90263219)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 超好熱菌 / 進化 / DNA再構成 / DNAポリメラーゼ / 制限酵素 / ゲノム |
研究概要 |
超好熱菌(hyperthermophilic archaea)はその生育環境の特殊性から原始生命体に最も近い生物と考えられている。我々は鹿児島県小宝島より超好熱菌Pyrococcus属KOD1株を分離した。KOD1株のDNA再構成を研究することで、複製、組換え、再編機構の原始メカニズムの予測を試みた。 DNA合成酵素(KOD1ポリメラーゼ)のDNA合成速度の高さ(138bases/sec)、修復能の高さは既知の酵素のなかで最高であることは昨年報告したが、プロセッシビティの高さについても検討したところ、300塩基以上という結果を得た。 また、KOD1ポリメラーゼの介在配列(インテイン)は制限酵素をコードしていることをこれまでに明らかにしているが、その認識配列を検討したところ、14塩基を認識していることが示された。また、認識特性は塩濃度(KCl)に高く依存し、塩濃度によって認識配列が変ることが示された。このことは細胞内のカリウムイオン濃度によって、DNA再編が制御されていることを示唆するものである。DNA再編と蛋白質誘導との関係を明確にするために、DNAポリメラーゼ、制限酵素をコードする2種類のインテイン産物を精製し、マウスを免疫することで抗体を調製した。現在、この抗体を用いて誘導条件下での各蛋白質の発現をモニターし、染色体DNAの再編をサザンハイブリダイゼーション法で検討している。 さらに、DNAポリメラーゼ遺伝子周辺の遺伝子配位について検討したところ、分子シャペロニン、組換え蛋白質、リボースリン酸ピロリン酸キナーゼ、メチル基転移酵素などが確認された。このことから、ゲノム上では遺伝子発現、調節に関与する蛋白質遺伝子の集中が考えられた。
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