研究課題/領域番号 |
08750929
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
疋田 正喜 岡山大学, 工学部, 助手 (60228715)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | イムノグロブリンE / 抗原特異的応答 / ハイブリドーマ / クラススイッチ / RAG |
研究概要 |
本研究においては、特異抗原による刺激を受けたB細胞におけるIgE産生へのクラススイッチ機構を解析することを目的として、B細胞ハイブリドーマTP67.21株を用いて種々の検討を行った結果以下のような成果が得られた。 1.B細胞活性化因子である8-mercaptoguanosine をIL4と共に添加した場合において抗原レセプターからの刺激に依存してIgMからIgEへのクラススイッチが誘導できることが明らかとなった。In vitro において、抗原レセプターからの刺激に応答して細胞株レベルでIgEへのクラススイッチを誘導できるシステムは未だ報告されていないので、本研究の成果により確立された方法は、今後、抗原特異的なIgE産生調節機構を解析する上で非常に有用な手段となると考えられる。 2.成果1で得られた結果をもとに培養系に極少数しか存在しないと考えられるIgE産生細胞を検出する方法について検討したところ、in situ の蛍光染色法により感度良くIgE産生細胞が検出できることが明らかとなった。この方法を用いることにより、培地中に分泌された抗体濃度が低く検出が困難な場合にも、抗体産生細胞の有無を調べることが出来、クラススイッチ検出方法として非常に有用な手段になると考えられる。 3.さらに、TP67.21株においてIgEへのクラススイッチに伴い発現が誘導される種々の遺伝子について検索した結果に基づき、正常B細胞についても同様の検討を加えたところ、従来、成熟B細胞では発現していないと言われていた recombination activating gene 1,2が末梢の成熟B細胞では再発現しているということを発見した。このことは、従来からのB細胞分化機構の学説に大幅な変革をもたらす成果と考えられ、国内外から非常に高い評価得ている。
|