研究課題/領域番号 |
08750930
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新川 英典 広島大学, 工学部, 助手 (50226338)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 放線菌 / 転写因子 / 生理活性物質 / RNAポリメラーゼ / 形質転換 |
研究概要 |
本研究では、抗生物質生産放線菌の分子育種を目指して、放線菌遺伝子の発現調節に関する基礎的な解析を行った。Streptomyces griseusよりプロモータースクリーニングベクターを用いて取得したプロモーターの一次構造を決定し、その発現の時間的・空間的発現様式を調べてプロモーターの分類を行った。その結果、それらのプロモーターが増殖のどの時期に発現するかを明らかにした。また、固体培養と液体培養で、発現量や発現時期などが著しく異なるプロモーターを明らかにした。このプロモーターがどのような遺伝子のものかは現在解析中である。それらと相互作用する因子について、精製RNAポリメラーゼ及び大腸菌発現にて大量調製したシグマ因子を用いてin vitro転写系で解析した。また、S.griseusにおける新たなシグマ因子遺伝子を2つ取得して、その1次構造を明らかにした。(論文1,2) さらに本研究では、種々の転写因子(σ因子等)遺伝子を多コピーで様々な放線菌に導入して抗生物質生産性の向上及び新たな機能を引き出すことを目指している。そのためには、それぞれの放線菌における遺伝子交換系を開発する必要がある。一般的に放線菌の形質転換にはプロトプラスト法が用いられているが、多くの実用抗生物質生産菌ではプロトプラストの再生頻度が低いためにプラスミドを用いた形質転換がうまく行えないという問題があった。そこで、プロトプラスト再生培地を改良し、S.griseusの形質転換効率を飛躍的に向上させることに成功した。この再生培地R1Mを用いると、幾つかの実用抗生物質生産放線菌の再生率が向上し、形質転換可能になった。(論文3)現在までに取得しているシグマ因子等の種々の転写因子遺伝子及びコア酵素の各サブユニット遺伝子を多コピーベクターに連結したものを作成したので、上記形質転換系を用いてて様々な放線菌に導入して抗菌スペクトルの差異や形態の変化及び資化性の変化等を調べる予定である。
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