研究課題/領域番号 |
08750939
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤原 勇 山口大学, 農学部, 助手 (40190087)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Surface Template Polymerization / Oleylamine / Emulsion Polymerization / Divinylbenzene |
研究概要 |
分子認識能を持つ鋳型樹脂の合成を界面鋳型重合法により合成し、樹脂の吸着能について研究した。鋳型重合は乳化重合法により行った。鋳型分子にアニオン化学種であるフェロシアン化物イオン及びフェリシアン化物イオンを用いた。また界面活性剤としてオレイルアミンを、重合架橋材にジビニルベンゼンを用い、樹脂を合成した。その後、アルカリ溶液を用いて鋳型分子を取り除いた。鋳型効果を評価するために、参照樹脂として、鋳型分子を加えず同様の合成条件で樹脂を合成した。樹脂合成条件として、オレイルアミンとジビニルベンゼンの量比、水と有機相の量比の合成条件を調べたところ、界面活性剤は乳化材として働くと同時に鋳型分子と水素結合による相互作用物として働くため、鋳型分子に対して10倍量が必要であること。また、安定な乳化が得られるためには水の量はジビニルベンゼンに比べて10倍以上必要であることわかった。合成した樹脂を評価するために、鋳型分子であるフェロシアン化物イオン及びフェリシアン化物イオンを用いて樹脂への吸着を行った。吸着はイオン強度を一定にして、溶液のpHを変化させて行った。樹脂への吸着量はpHに依存し、フェロシアン化物イオンはpH6以下から吸着した。フェロシアン化物イオン鋳型樹脂への吸着量は参照樹脂の吸着量に比べて2倍多い結果が現れた。即ち、界面鋳型重合により鋳型分子を吸着しやすい構造になったことを意味している。また、合成した樹脂の大きさをSEMを用いて観測したところ、直径0.05-1.0μmの球状粒子であった。しかし、フェリシアン化物鋳型樹脂では吸着量の増加は見られなかった。 このことから、界面鋳型重合法により樹脂表面にフェロシアン化物イオンをより多く吸着する樹脂を合成することができた。
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