研究課題/領域番号 |
08750946
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 敏啓 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70240629)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | in situ SEXAFS法 / SOR光 / X線 / p-GaAs(100) / 銅 / 電気化学測定 / 電析 / STM / AFM |
研究概要 |
本研究では、in situ表面X線微細吸収分光(Surface Extended X-ray Absorption Fine Structure, SEXAFS)測定により、GaAs単結晶電極/Cu/溶液界面の構造を原子レベルで評価し、既存のSTM/AFMの測定結果との比較検討から、界面構造を詳細に解析する事を目的とした。 実際には、すでにAFM測定により構造の明らかになっている銅/GaAs(100)界面を測定対象とした。p-GaAs(100)(Zn:1.5x10^<19>cm^<-3>)を基板とし、0.1MH_2SO_4+0.1mM CuSO_4溶液中、-0.5V(vs.Ag/AgCl)で種々の時間、銅を電析させた。高エネルギー物理学研究所放射光実験施設(BL13)にて、SEXAFS測定を行った。GaAs電極表面にX線を約1.6°で入射し、銅蛍光X線量を19素子半導体検出器でモニターした。銅の電析量は、脱離時の電気量から見積もった。 電析量が1単分子層(ML)以上の場合、EXAFS振動のフーリエ変換のメインピークは1つだけ観測され、このピークについて解析を行った。結合はCu-Cuであり、結合長、配位数は、6MLで2.52Å、9.8、1MLで2.54Å、4.4と求められた。この結果は、銅のfccバルク構造に対応する結合長2.56Åとほぼ等しいことから、1ML以上の場合にはGaAs上に電析した銅はfcc構造をとっていると結論された。また、配位数がバルクの値(12)より小さいことから、電析した銅は微小なクラスター構造をとっていると考えられる。これはすでに報告されているAFMの結果と一致している。一方、電析量が1ML未満の場合、解析結果は上記とは異なった。EXAFS振動のフーリエ変換には、銅のバルク構造に相当するピークは観測されず、あらたにそれより短い距離に位置する2つのピークが観測された。解析の結果、1つはCu-Oに相当し、結合長、配置数は、1.94Å、1.4と求められた。これは電析した銅に配位した硫酸イオンまたは水分子のもつ酸素によるものと考えられる。残りのピークの詳細については現在検討中であるが、EXAFS振動の振幅から、散乱原子はCu、Ga、Asのどれかであると考えられる。
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