研究課題/領域番号 |
08750959
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西山 勝彦 熊本大学, 工学部, 講師 (10202243)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 円偏光二色性分光法 / 分光電気化学 / チトクロムc / フェレドキシン / ミオグロビン / 機能修飾電極 / 磁気円偏光二色性分光法 |
研究概要 |
本研究では、金属タンパク質であるチトクロムc、フェレドキシンおよびミオグロビンに関して、その電気化学的酸化還元に伴う構造変化速度を検討するために新たに開発した分光電気化学セル及びデーター積算システムを備えた円二色性分光電気化学法を開発した。これまでにも金属タンパク質の速い電子移動のため、種々のプロモーター修飾電極を含む機能性電極が開発されているが、円二色性分光電気化学法という長時間の測定が必要となる手法では電極の安定性が重要な要因となり、結果的にチトクロムc、ミオグロビンの場合には酸化インジウム電極を、フェレドキシンの場合にはポリリジン修飾酸化インジウム電極を作用電極として用いた場合、タンパク質の電極への吸着がなく、経時変化の少ない応答が得られることが判明した。これらの金属タンパク質のミリ秒や秒オーダーの比較的遅い構造変化を捕らえるためにダブルポテンシャルステップ法を用い、酸化還元に伴う電気量の変化と円偏光二色性スペクトル(CD)あるいは磁気円偏光二色性スペクトル(MCD)と吸収スペクトルの変化を同時に測定した。CDシグナル、MCDシグナルは吸収スペクトルや電気量と比較してS/Nが非常に悪くデーターの積算が必要となるため、分光器とポテンシォスタットを同時に駆動し、データーの積算を自動的に行えるシステムを開発した。この装置によって、100ミリ秒オーダーの比較的遅い過程の構造変化を追跡すること可能となり、数千回の積算も容易に行えるようになった。しかしながら、今回用いた金属タンパク質では、酸化還元電位還元反応に伴う電気量の時間変化と吸収スペクトルの変化及びCDあるいはMCDシグナルの時間変化は全く同じ軌跡を辿り、この時間スケールでの電子移動よりも遅い構造変化は観測されなかった。
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