研究課題/領域番号 |
08751028
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和田 健彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (20220957)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 光化学 / 不斉合成 / エナンチオ区別 / 光増感反応 / α-ヘリックス / ポリリシン |
研究概要 |
「不斉光増感能を有するポリアミノ酸誘導体の合成およびその光不斉反応」を達成するため、1.光学活性増感剤を有するポリアミノ酸の合成、2.合成したポリアミノ酸誘導体の溶液中における構造の解析、3.光学活性増感剤を導入したポリアミノ酸を用いた不斉光増感反応についての検討 の3つの項目に分けて検討した。 1.光学活性増感剤を有するポリアミノ酸の合成 ポリアミノ酸としては、右巻および左巻のα-ヘリックスやβ-シート構造等の高次構造を持つことが知られているポリ-L-および-D-リシンを用いた。ポリアミノ酸側鎖に導入する光学活性増感剤としては、均一溶液中での光不斉増感異性化反応に関する研究成果から有効であることが明らかになっているベンゼンポリカルボン酸のメンチルおよびジアセトングルコースエステルを用いた。ポリアミノ酸側鎖への導入は、NCA法により合成したポリ-L-および-D-リシンにキラルな増感剤を導入する高分子反応法を用いて目的化合物を合成した。 2.光学活性増感剤を有するポリアミノ酸誘導体の溶液中における構造の解析 得られた光学活性増感剤導入ポリリシン誘導体の構造についてUVスペクトル測定ならびに、CDスペクトルにより高次構造について検討した。その結果ポリ-L-ならびに-D-リシン誘導体はメターノル等の溶媒中で右巻きおよび左巻きのα-ヘリックス類似構造を有することが明らかとなった。また、ポリアミノ酸中での増感剤の励起状態における物性と基質との分子間相互作用について、蛍光を測定し、その発光特性など光化学に対する基礎的な知見を得た。 ・光学活性増感剤を有するポリアミノ酸誘導体を用いた不斉光増感反応についての検討 本研究は、増感剤を高分子化することによりこのエキサイプレックス形成を促進し、ポリアミノ酸の高次構造をキラルな反応場として用い、より高効率な不斉光反応を達成しようとするものである。まず今回合成したα-ヘリックス構造を有する増感剤を用いて、これまで詳細に検討してきたシクロオクテンのエナンチオ区別光増感異性化反応について検討した。 まだ詳細については検討中であるが、これまでの均一系増感剤とは異なる高次構造付与による興味ある知見が得られている。
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