研究課題/領域番号 |
08751032
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 泉 九州大学, 工学部, 助手 (50243910)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 二分子膜 / キャストフィルム / 分子鋳型 / ポリピロール / 精密重合 |
研究概要 |
二分子膜キャストフィルムは、数万層にも及ぶ多重層構造を有し、その層間に様々な金属錯体を規則的に配列することができる。本研究では、銅ハライド錯体等の酸化還元活性な錯体をキャストフィルム層間に導入し、これらを二次元配列触媒として機能性高分子の精密重合を検討した。 様々な二分子膜のキャストフィルム中で、ピロール、ジメチルフェノールの固相重合を検討した結果、CuCl_4^<2->錯体を取り込んだ四級アンモニウム型二分子膜が高い酸化触媒特性を示すことが明らかとなった。キャストフィルムをピロール蒸気に数時間曝す(室温、約20mmHg)ことでポリピロールの合成が可能であった。元素分析、DSC測定、反射X線回析、SEM観察から、膜層間へのピロールの導入量はマトリックスである二分子膜によって厳密に制御されており、ポリピロール形成後も二分子膜の分子配列構造は全く乱されないことが示された。さらにESR測定から、重合後もCuCl_4^<2->錯体が規則的に配向していることが示された。鋳型である二分子膜はクロロホルムを用いて容易に取り除くことが可能であり、分子厚みのポリピロール超薄膜が数万層積層した薄膜が得られた。同様に、ジメチルフェノール蒸気を減圧下、50℃で導入すると、ポリジメチルフェノールが合成された。二分子膜成分をメタノール抽出すると、ディスク状のポリマーが積み重なった構造を有する高分子薄膜が得られた。これらの結果から、二分子膜キャストフィルム中での酸化重合により、機能性高分子の精密な高次構造制御が可能なことが明らかとなった。
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