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植物寄生菌分類における寄生性とは〜植物内生性Phyllostictaの分類学的研究〜

研究課題

研究課題/領域番号 08760048
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 植物保護
研究機関(財)発酵研究所

研究代表者

岡根 泉  財団法人 発酵研究所, 真菌研究室, 研究員 (60260171)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード植物内生菌 / Phyllosticta / Guignardia / 宿主特異生 / RAPD法
研究概要

植物内生性Phyllosticta(有性世代:Guignardia)の収集のため、多数の植物から健全な生葉を採集し、表面殺菌法を用いて菌の分離、培養を行った。その結果、武田薬品京都薬用植物園において採集した93種の植物のうち、約70%にあたる64種から本菌が分離された。また、広島県、沖縄県西表島および石垣島において採集した植物のうち40種からも本菌が分離された。これらの植物の中には、これまでPhyllostictaの宿主として報告のない植物も複数含まれ、本属菌の宿主範囲の広さがあらためて明らかとなった。分離株の形態については、宿主の異なる菌株間でも類似するものが多かった。種の同定も含め詳細な形態観察を今後も行っていく必要がある。
本研究では、形態比較と同時にDNA多型による比較を試みた。プライマーとしてR2:5'-AGTACAGGTC、R4:5'-TCCTACGCAC、R28:5'-ATGGATCCGCの3種を用いて、RAPD法によって得られたPCR産物の電気泳動パターンを宿主の異なる菌株間で比較した。その結果、異なる宿主から分離された菌株間でも非常に類似したバンドパターンが認められ、それは科の全く異なる植物から分離された菌株間でも同様であった。RAPD法は種内のDNA多型を比較する上で有効とされ、その例として、ある菌種の病原性の異なる個体間の識別にも有効であるという報告がある。その点からも、今回供試したPhyllosticta属菌のDNA多型比較における類似性は、植物内生性の種および生理学的分化型の多様度が低い可能性を示唆するものである。今後、宿主に対し明らかに病原性を示すとされる他のPhyllosticta属菌とも慎重に比較検討する必要がある。
本研究で明らかになったことは、これまで宿主特異的であるとされるがゆえに、宿主の違いが種の分類基準として重視されてきた本属を含む類縁の植物寄生菌の種を考える上でも興味ある知見と考えられる。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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