研究課題/領域番号 |
08760058
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
豊田 剛己 名古屋大学, 農学部, 助手 (30262893)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 土壌病害 / 抑止土壌 / 微生物多様性 / 細菌フローラ / 土壌DNA / 16SrDNA / Biolog |
研究概要 |
ダイコン萎黄病発病抑止土壌、助長土壌に特徴的な土壌微生物群集構造の解明を目的として、両土壌中の直接検鏡法による全菌数、希釈平板法による培養可能な細菌数(生菌数)、培養可能な細菌フローラ、16SrDNAをターゲットとしたPCR-RFLPによる土壌DNAの多様性、Biologでの基質資化能より類推される機能的多様性を測定した。発病抑止土壌である神奈川県三浦土壌および助長土壌である三重県津土壌いずれにおいても全菌数、生菌数はそれぞれ乾土1g当たり10^9cell、10^8cfu、培養可能な細菌フローラはグラム陰性細菌が約5割、コリネ型細菌が2-3割、放線菌が1-2割、胞子形成細菌が約1割と両土壌間で顕著な差は認められなかった。また、PCR増幅した16SrDNAの制限酵素断片の中に三浦土壌でのみ、あるいは津土壌でのみ検出されたバンドが存在し、両土壌間で若干細菌種の構成に相違が認められたものの、土壌DNAの多様性は三浦土壌でより多様というわけではなかった。他方、Biologからみた機能的多様性は三浦土壌と津土壌間で明らかな差異が認められたものの、三浦土壌でむしろ多様性が低く、さらに、このときの基質資化速度も津土壌に比べ三浦土壌で遅く、これが抑止土壌の特徴とは考えにくかった。以上の結果より、今回用いた方法では三浦土壌あるいは津土壌に特徴的な微生物群集を特定することは不可能であり、三浦土壌の発病抑止性に関与する微生物群集の詳細についてさらなる研究の必要性が示唆された。
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