研究課題/領域番号 |
08760096
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
加藤 康夫 富山県立大学, 工学部, 助教授 (20254237)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Screening / β-Methylaspartase / Enzyme purification / Facultative anaerobes / Glutamate-mutase / Citramalate hydro-lyase |
研究概要 |
独自のスクリーニング手法を用いて自然界より選出された微生物をもとにして、近縁種等の保存菌株中や自然界よりさらに広くククリーニングを行ったところ、本酵素は腸内細菌のうちでも特にCitrobacter、Morganella、Klebsiella属の通性嫌気性細菌中に分布していることが判った。2)本酵素活性産生株の培養条件及び培地組成を種々検討したところ、本酵素活性はL-グルタミン酸もしくは3-メチルアスパラギン酸を含む培地を用い、静置もしくは嫌気的に培養した時に、誘導産生されることが判った。3)通性嫌気性細菌中における本酵素の機能を解明するために種々検討を加えたところ、静置もしくは嫌気的に培養した活性株は偏性嫌気性細菌中におけるL-グルタミン酸の嫌気代謝に関与する酵素である、グルタミン酸ムターゼおよびシトラマル酸ハイドロリアーゼ活性を顕著に示すことが判った。4)最適の培養条件下で菌株を大量培養し、得られた無細胞抽出液中より、各種のクロマトグラフィーや塩析等の手法を用いて目的の酵素を均一に精製した。5)精製された酵素の各種酵素学的諸性質を検討したところ、腸内細菌由来の本酵素は、至適温度・pH、安定温度・pH、阻害剤、補酵素の要求性や基質特異性、およびN-末端アミノ酸配列において高い相同性が見られた。 以上のように従来、偏性嫌気性細菌中にしかその存在が知られていなかったβ-メチルアスパルターゼを、独自のスクリーニング法により、培養が容易な通性嫌気性細菌中に見いだすことに成功した。本酵素はL-グルタミン酸もしくは3-メチルアスパラギン酸を含む培地を用い、静置もしくは嫌気的に培養した時に、高く誘導産生された。代謝系の酵素活性を測定することにより、本酵素は偏性嫌気性細菌と同様に、L-グルタミン酸の嫌気代謝に関連して存在していことが判った。各種の活性株より本酵素を高度に精製したところ、通性嫌気性細菌由来の本酵素は物理・化学的な性質において、お互いに高い相同性を有するばかりでなく、偏性嫌気性細菌由来の本酵素とも類似点を多く有していることが判り、所期の目的を達成することができた。本研究を進めるにあたって、培地、試薬、ガラス器具等の各種の消耗品を購入するために、本補助金が大いに役立った。
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