研究課題/領域番号 |
08760099
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
増村 威宏 京都府立大学, 農学部, 講師 (50254321)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 活性酸素 / ストレス耐性 / スーパーオキシドジスムターゼ / アスコルビン酸パーオキシダーゼ / 多重形質転換体 |
研究概要 |
高等植物において様々な環境要因によるストレスは、光合成機能、特に光化学系の進行(電子伝達)を妨げる。光条件下では活性酸素の生成が促進され、植物細胞への直接的な障害のきっかけになると考えられている。環境ストレスに対する植物側の防御系の中心が、活性酸素消去系酵素群である。本研究では、活性酸素消去系酵素、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)とアスコルビン酸パーオキシダーゼ(APX)を単独で過剰発現した、或いはSODとAPXを同時に強化した多重形質転換植物を作製し、単独の場合とのストレス耐性能を比較することを目的とした。 1.外来SODとAPXを単独で過剰発現する形質転換タバコのストレス耐性能を検討する為、酵素活性測定を行った。その結果、細胞質型SODを過剰発現した形質転換タバコのSOD活性は、野性型に比べ4〜7培上昇し、葉緑体型SODを発現したタバコでは2〜3培上昇した。また、興味深い事に、それぞれのAPX活性がSOD活性の上昇に連動し、1.5〜4培上昇していた。一方、細胞質型および葉緑体型APXを過剰発現したそれぞれのタバコのAPX活性は2〜4培上昇したが、SOD活性は1〜2培の上昇を示した程度だった。 2.SODとAPXそれぞれ単独で過剰発現した形質転換体について、活性酸素発生剤(パラコート)を用いたストレス耐性試験を行ったところ、いずれも野性型に比べパラコート耐性が強くなっていた。 3.細胞質型SODとAPXのセットおよび葉緑体型SODとAPXのセットをそれぞれ過剰発現するタバコを作製した。得られた形質転換体は、SODやAPXをそれぞれ単独で過剰発現する形質転換タバコに比べ、生育段階でも差が見られ、2重形質転換体のストレス耐性能が上昇していることが明らかになった。
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