1.ロイテリシン6の全アミノ酸一次配列の決定 プロティンシーケンサーより、精製ロイテリシン6のアミノ酸一次配列を分析したところ、N末端はブロックされていた。N末端のさまざまなデブロッキング、臭化シアン分解を試みたが成功せず、現在、lysyl endopeptidaseによる内部アミノ酸一次配列の決定を試みている。 2.ガセリシンAの全アミノ酸一次配列の決定 決定したガセリシンAの内部部分配列より全塩基配列を網羅するオリゴヌクレオチドプローブ(20mer)を作成し、L. gasseri LA39から調製したDNAとPCRにより構造遺伝子の獲得を試みており、現在は、その確認を行っている。 3.ロイテリシン6の作用機作に関する検討 指標菌L. bulgaricus JCM1002およびNIAIB5bに対するロイテリシン6の作用機作は程度の差はあるが溶菌を示し、NIAIB5b株からはラクトース資化酵素の流出も認められた。現在、通常のバクテリオシンとの作用の相違を確認中である。 4.ガセリシンA・ロイテリシン6の性質に関する検討 (1)L. gasseri LA39を水で洗浄するとガセリシンAが抽出できることを見出だした(水抽出法)。本法を用いて、ロイテリシン6も同様に抽出することができ、両バクテリオシンを逆相クロマトグラフィーにより簡便・迅速に精製することができた。 (2)両バクテリオシンについて、マイクロプレートを用いた抗菌活性新規測定法を開発した。本法は、指標菌数も変更可能であるため、従来の寒天法を越える感度と簡便さで、両バクテリオシンのみならず、産生株のスクリーニングにも応用できる。
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