研究課題/領域番号 |
08760138
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
熊谷 日登美 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20225220)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 血小板凝集抑制 / イソチオシアネート / アブラナ科 |
研究概要 |
本研究では、筆者らが既に血小板凝集抑制作用を示すことを認めたアブラナ科食品中のイソチオシアネート(ITC)の血小板凝集抑制作用機構の解明を目的とした。 試料としては、アブラナ科植物中の精油に多く含まれるallyl ITCおよびアラキドン酸(AA)凝集に対して強力な抑制作用を示した6-methylthiohexyl ITCを使用した。Agonistとしては血小板活性化因子(PAF)、thrombin、ADP、collagen、トロンボキサンA_2の類似体のU46619、およびAAを用い、家兎血液より調製した多血小板血漿(PRP)またはゲル濾過血小板(GFP)に対する両ITCの凝集抑制能を測定した。その結果、両ITCともにすべてのagonistによる血小板凝集を抑制し、抑制効果は6-methylthiohexyl ITCの方が強力であった。 ITCの構造が血小板凝集に及ぼす影響を検討するため、各種ITCおよびITC誘導体の血小板凝集抑制作用を測定した結果、ITCは炭素鎖が長くなるにつれて抑制効果が強くなった。チオカルバミル体(TC)にするとω-alkenyl ITCは効果が弱くなったが、ω-methylthioalkyl ITCの効果はほとんど変わらなかった。1-(methylthio)hexaneは活性がなかったが、6-methylsulfinylhexyl ITCはω-methylthioalkyl ITCとほぼ同様の活性を有した。 血小板凝集塊に対するallyl ITCおよび6-methylthiohexyl ITCの解離作用について検討した結果、両ITCともに一次凝集塊を解離したが、二次凝集に対する解離効果はなかった。ITCが血小板の5-hydroxytryptamine(5-HT)放出反応に及ぼす影響について検討した結果、両ITCともに、collagenとPAFによる5-HT放出反応を抑制した。形態変化では、allyl ITCはすべてのagonistよる形態変化を抑制したが、6-methylthiohexyl ITCはcollagenの形態変化のみを抑制した。
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