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森林と裸地における物質収支バランスの差異に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08760150
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 林学
研究機関京都大学

研究代表者

中西 麻美  京都大学, 農学部, 助手 (60273497)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード森林生態系 / 物質循環 / 森林植生 / 硝化 / ライシメーター / 土壌水 / 窒素無機化
研究概要

土壌に到達した降水および林内雨が土塊浸透水となってから、植物と土壌の間の相互作用や土壌の風化作用を受けて変化する過程を明らかにし、さらに森林生態系の物質循環において森林植生が果たす役割を明らかにするために、植生の発達段階の異なる3流域において水質水文観測をおこなった。また、土壌中での水質変化を詳細に追跡するために、3流域の中で最も植生が発達した流域内でライシメーターを用いた実験をおこなった。
森林植生の違いによる水質特性について把握するために、土壌厚、土壌層の発達の違う森林植生のある2流域と裸地流域において、地下水および渓流水の水質の比較をおこなった。森林植生のある2流域ではpHが地下水で一時的に下がるが最終的には緩衝され、また風化などの地球化学的要因により生成されるナトリウムイオン、ケイ酸濃度が高くなるが、土壌厚が厚く土壌層もより発達した流域では硝化などの生物活動により生成される硝酸イオン濃度が非常に高くなった。裸地流域では、物質の濃度が低くなった。したがって、生物活動および地球化学的要因の2つの水質形成要因により特徴づけられる物質によって、森林植生の遷移段階を把握できることが示唆された。直径20cm、長さ30cmの塩ビパイプを用いたライシメーター実験では土壌水分条件を変えて、そのうち乾燥条件下におくライシメーターは10、20、30cm各深度から常時、吸引ポンプにより土壌水を吸引した。乾燥条件下では深度が増すにつれ、物質濃度が下がる傾向が見られ、特に硝酸イオンとカルシウムイオンで顕著であった。硝酸イオンは乾燥条件下の浅い深度で非常に濃度が高くなり、硝化活性およびライシメーター内で根系が切断された影響と考えられる。森林のある流域では、土壌中での水質形成において硝化などの生物活動の影響が大きく、さらに土壌深度、水分条件により影響の大きさが異なることが示された。
今後、ライシメーター実験を継続し、さらに林地の各斜面および各位置において根系切断の影響を受けない土壌水を採取、分析し、土壌中での水質形成過程および窒素無機化特性を明らかにする予定である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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