研究課題/領域番号 |
08760171
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三浦 猛 北海道大学, 水産学部, 助手 (00261339)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 減数分裂 / 精子形成 / PCNA / ヒストンH1 |
研究概要 |
ニホンウナギの配偶子形成のうち雄の精子形成は、ヒト絨毛性生殖腺刺激ホルモン(HCG)を投与することにより精原細胞の増殖から減数分裂、精子変態に至る全過程が誘起されるが、HCGを投与しても精子形成が完全に進行しない個体もまれに出現する。この様な精子形成不全魚の精子形成過程を形態学的に詳しく観察したところ、これらの精巣には、4または5回の体細胞分裂を経た後期B型精原細胞が多く存在し、減数分裂開始前の精原細胞の増殖途中で精子形成が停止していることが明らかとなった。この結果は、この時期に減数分裂以降の精子形成に対する何らかの制御機構が存在していることを示している。次に、減数分裂開始の制御に関わる因子を得る目的で、この時期に精巣で特異的に発現するmRNAをディファレンシャル・ディスプレー法により検索したところ、計4種類のcDNAクローンを得ることができた。これらのcDNAクローンの内2種類について全塩基配列を決定したところ、1つのcDNAクローン(クローン1)は、全長1571bpで260個のアミノ酸からなるORFが存在した。予想されるアミノ酸配列より、このcDNAはDNAポリメラーゼδの補助因子である増殖細胞核抗原(PCNA)に高い相同性があることが明らかとなった。もう一方のcDNAクローン(クローン2)は全長472bpで145個のアミノ酸からなるORFが存在した。予想されるアミノ酸配列より、このcDNAはヒストンH1に高い相同性があることが明らかとなった。これらの遺伝子の精巣での発現をノーザンおよびin situハイブリダイゼーションにより調べたところ、クローン1は分裂回数が6回以下と思われる後期B型精原細胞に、クローン2は後期B型精原細胞と精母細胞に強い発現が認められた。この結果より、これらのcDNAがコードするタンパクは減数分裂の制御に深い関わりがあるものと推察された。
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