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海産有毒プランクトンのシスト(種)形成を誘導する分子メカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08760181
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 水産学一般
研究機関高知大学

研究代表者

足立 真佐雄  高知大学, 農学部, 講師 (70274363)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード有毒プランクトン / 麻痺性貝毒 / 有性生殖 / シスト / 微生物生態学 / PSP / dinoflagellate / Alexandrium
研究概要

海洋渦鞭毛藻Alexandrium属数種は、その細胞内に強烈な神経毒成分を有し、しばしば麻痺性貝毒を引き起こすことから注目されている。本藻は、異なる2つの接合型(+と-)を示す細胞が接合を行い、運動性接合子を経て耐久性のある休眠性接合子(シスト)を形成する有性生殖の生活環を示すことが確認されている。シストは、翌年のブルームを引き起こすための種(たね)として重要視されており、今までに研究室内における培養実験では窒素やリンなどの栄養源が欠乏した条件下でシスト形成が誘導されたとする報告もあるが、実際の現場ではリンや窒素非欠乏条件下においてもシスト形成が見られるとする報告もあり、シスト形成を誘起する因子が何であるかは不明である。そこで本研究では、実際の海水中に含まれているであろうシスト形成を誘起する因子を明らかにしようとした。本藻のブルーム形成時の広島湾呉湾現場海水を分画後これらを用いて接合実験を行ったところ、細菌を含む現場海水画分に本藻のシスト形成を促進する活性があることを見いだした。一方、海水中には本藻のシスト形成を阻害する因子も存在する可能性が示唆され、現場海水全体としてはシスト形成促進効果を持っていたことが明らかとなった。これらの因子は、生物的な因子であることが示唆されており、細菌である可能性が高い。
よって、現場海水中には様々な本有毒藻のシスト形成促進細菌群や阻害細菌群が存在しており、これらが本藻のシスト形成に大きな影響を与えている可能性が示唆された。今後は、有毒プランクトンのブルームダイナミックスとこれらのシスト形成促進あるいは阻害因子の動態との関係や、これらシスト形成促進あるいは阻害因子を分離同定しその実体を明らかにしたうえで、その作用機作についても詳細に検討してゆく予定である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Adachi,M.: "Analysis of Alexandrium (Dinophyceae) species using sequences of the 5.8S ribosomal DNA and internal transcribed spacer regions" J.Phycol.32. 424-432 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Adachi,M.: "Identification of the toxic dinoflagellates Alexandrium catenella and A.tamarense (Dinophyceae) using DNA probes and whole cell gybridization" J.Phycol.32. 1049-1052 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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