研究概要 |
スイカの自動収穫を考えた場合,スイカの検出に加えてスイカのつる首の検出および切断が必要となる。これまで開発してきた画像処理によるスイカ果実の識別結果を基に,スイカのつる首の3次元的な認識方法および,つる首の切断方法について検討した。今回は,この基礎的な実験として模型スイカを用いて,スイカの縞を利用したつる首の位置の推定方法を開発した。検出アルゴリズムを以下に示す。まず,前処理としてスイカの果実部の抽出,2値化,細線化を行い,果実の縞の領域を細線化領域として抽出する。次に,画像上で分岐点と判断される点を消去し,縞を分離する。分離した縞をクラスタリングして面積によりノイズを除去して重要な線のみを抽出し,最終的に抽出した線分の補外直線を求め,その交点座標からつる首の位置を推定する。このアルゴリズムの妥当性を調べるため,可視率と模型スイカの設置姿勢を変えて実験を行った結果,可視率が高いときは誤差が少なかったが,可視率50%では誤差が14画素と大きくなった。また,設置姿勢が90度から30度までは,誤差約7画素以内で検出できた。しかし,設置姿勢が0度付近では,誤差が増大した。これは補外直線による縞の近似が曲線でなかったためと思われる。一方,つる首の切断方法は,市販のカッターの刃をハンド部に取り付け,パルスモータ駆動の切断機構を開発した。これをもちいてつる首切断実験を行った結果,直径10mm以下のつる首は十分実用可能であった。今後は,補外曲線による精度の向上に務め,つる首の3次元的な位置を検出する予定である。また,切断機構とあわせた実験を行い,障害物回避の経路計算なども行う予定である。
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