研究課題/領域番号 |
08760241
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物環境
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
富士原 和宏 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (30211535)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 低温貯蔵 / 弱光 / 発光ダイオード / 赤色光 / CA(ガス組成制御) / 香草類 / 葉菜類 / 葉色 |
研究概要 |
緑色葉菜類の貯蔵中における、1)赤色発光ダイオードによる弱光照射、2)養水分の供給(養液ゲル利用:茎の切り口側をゲル化した水耕栽培用希薄養液に挿す処理)、および3)ガス組成制御(CA:Controlled Atmosphere)が、その低温貯蔵期間延長に対する効果を調べた。供試植物体には、チュービル(生食用香草類の一種)を用いた。貯蔵可能期間の判定のために、外観品質評価における客観的基準である葉色、生体重なとを測定した。チャービルの外観品質保持に対する上記要因の効果は以下の通りであった。 1)赤色発光ダイオードによる弱光照射(光合成有効光量子束密度:1μmol・m^<-2>・s^<-1>)の効果は、養液ゲル利用と併用した場合にのみ有意に認められた。この併用により、低温貯蔵可能期間を1週間から3週間へと延長できることが示された。逆に、養液ゲルと併用しない場合には、通常の暗黒下での場合よりも外観品質の劣化が大となった。これは、弱光照射による葉温上昇に伴う蒸散増加、すなわち水分損失を補う必要が生じたことを示している。 2)養液ゲル利用の効果は、暗黒下における4週間の貯蔵期間では認められなかった。 3)CAの効果は、暗黒下、弱光照射下のいずれの場合においても有意に認められた。すなわち、暗黒下ではCO_21.0%+O_25.0%において、弱光照射下ではCO_20.5%+O_210%において、それぞれCO_20.05%+O_220%(対照区)よりも外観品質の劣化が有意に抑制された。 以上より、赤色発光ダイオードによる弱光照射+養液ゲル利用+CAにより、従来の暗黒下の低温貯蔵では1週間程度であったチャービルの貯蔵可能期間を、4週間程度にまで延長できることが示された。同様の効果は、他の緑色葉菜類でも期待できる。なお、本研究成果の一部は、「生物環境調節」35巻2号に掲載される予定である。
|