研究課題/領域番号 |
08760263
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
黒瀬 陽平 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (10245392)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ヒスタミン / インスリン / ニューロペプチドY / 食欲 / 菜食量 / 視床下部 / グルコースクランプ / マイクロダイアリシス |
研究概要 |
ヒスタミン神経からのヒスタミンの放出を促進する作用のあるチオペラミド(thioperamide)をラットの側脳室に投与し、ヒンスリン分泌能を測定した。その結果、中枢ヒスタミン神経が活性化すると、グルコース刺激に対するインスリン分泌が抑制される傾向がみられた。 マイクロダイアリシス用プローブを介して、2水準のグルコース溶液(30および180mg/dl)を視床下部満腹中枢に作用させた。その間、インスリン溶液を同部位に1時間注入し、インスリン注入前後の満腹中枢におけるモノアミンとその代謝産物の濃度変化を測定した。その結果、高グルコース濃度のとき、インスリン注入によってノルアドレナリン濃度が減少した。また、ドーパミンおよびセロトニンがインスリン注入によって増加することを示唆する結果が得られた。次に、視床下部満腹中枢におけるインスリン濃度が、血中へのインスリン注入およびグルコース濃度によってどのような影響を受けるかを調べた。その結果、血糖値と中枢インスリン濃度には正の相関があること、および中枢インスリン濃度は大きく変動しているらしいことが明らかにされた。 ニューロペプチドYをラットの満腹中枢へ投与し、同部位からノルアドレナリンを連続的に回収してその濃度変化を測定したところ、ノルアドレナリン濃度が増加した。すなわち、ニューロペプチドYによる食欲刺激作用は、ノルアドレナリン神経の活性化を介していると考えられる。 以上の結果をまとめると、中枢ヒスタミン神経の活動は血中インスリン濃度に影響する。中枢インスリンは、その濃度が血糖値の影響を受ける一方、中枢モノアミン神経の活性に影響を及ぼすことによって食欲調節に関与している。さらに、ニューロペプチドYの作用は、中枢モノアミン神経すなわちノルアドレナリン神経の活動を介していることが明らかにされた。
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