研究課題/領域番号 |
08770019
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
山岸 敏之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60255122)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | BMP / heart development / chick embryo / transformation / in situ hybridization |
研究概要 |
申請者は、ニワトリ胚心臓よりBMPファミリー遺伝子を単離し、6種類のクローンを得た。これらの遺伝子配列を決定したところ、BMP2、5、6、7、dorsalin-1、新規BMPであることが明らかになった。これらはニワトリ胚心臓で明らかになった、はじめてのBMPファミリーである。なかでもBMP2 mRNAは、outflow tract(OT)、atrioventricular canal(AV)の心筋細胞層に局在することを、in situハイブリダイゼーション法によって明らかにした。これらの領域におけるBMP2 mRNAは、St14より発現しはじめ、St23では最も強くなった。St30でもその発現は観察された。AVおよびOTでは心内皮細胞が間葉に分化する。この発現パターンは、BMP2が心内皮細胞の間葉細胞への形質転換に強く関与している可能性を示唆した。そこで器官培養の系においてAntisense oligo DNAを使ってBMP2の活性を特異的に抑制することを試みた。BMP2の5'領域の塩基配列が明らかにされていなかったことから、開始コドンを含む塩基配列を明らかにし、その領域に対してAntisense oligo DNAを作製した。その結果、心内皮細胞の形質転換は抑制され、BMP2がこの現象にかかわっていることが明らかになった。さらにBMP2が心内皮細胞に直接作用しているのかを明らかにするため、AV領域の心内皮細胞だけを培養し、組み換え型BMP2を作用させてみた。しかし、BMP2による心内細胞の形質転換は観察されなかった。このことは、BMP2の心内皮細胞への作用は、間接的であるか、または他の因子との共同作用である可能性を示している。この作用機構を明らかにするため、BMP2を認識する抗体などを用いて、タンパク質レベルでの機能解析を進めている。
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