研究課題/領域番号 |
08770022
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小川 元之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90255422)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 免疫組織化学 / ミエリン / 免疫電顕 / モノクローナル抗体 / expression cloning |
研究概要 |
我々は、申請した実験計画に沿って研究を行い次のような結果を得た。我々の作製したモノクローナル抗体(SW)の認識するラット末梢ミエリン特異的蛋白質(PMP120)の正確な局在を明かすとするために、post-embedding法を用いた免疫電顕法により、ラット末梢神経を検索した。その結果PMP120は、末梢コンパクトミエリンのmajor dense lineに局在することが明らかとなった。また、神経発生・再生過程におけるPMP120の発現の消長パターンを免疫組織化学的に検索したところ、本蛋白質の発現は神経発生・再生過程の初期にはほとんど認められず、神経系の成熟に伴い発現が認められた。更に、これらの神経発生・再生過程のミエリンにおけるPMP120の詳細な局在を免疫電顕法を用いて検索したところ、PMP120はコンパクションミエリンにのみ認められ、発生初期のコンパクションの見られないミエリンや神経傷害後、再生初期の変性ミエリンには認められなかった。以上の結果から、PMP120はコンパクションの行われたミエリンの構造維持に関与していることが示唆された。 我々は、SWモノクローナル抗体の認識する蛋白質がミエリンの形成・維持において、どのような役割を担っているかをより詳細に知るため、PMP120蛋白質をコードするcDNA単離し、本蛋白質のアミノ酸の一次構造を決定することを試みている。既に我々は、本実験を遂行するためにラット後退神経節より得たpoly(A)RNAからimmuno screeningに用いるcDNAライブラリーの作製を完了しており、現在expression cloning法によりSWモノクローナル抗体の認識する蛋白質をコードするcDNAの単離のためのスクリーニングを行っている。
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