研究課題/領域番号 |
08770024
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
谷口 雅彦 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 研究員 (70260346)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | collapsin-1 / ノックアウトマウス / 神経回路形成 |
研究概要 |
複雑な脳神経系において機能的な神経回路を形成するためには、神経軸索の正確な標的への投射が必須である。この正確な軸索投射においては、神経軸索先端の成長円錐(growth cone)が重要な役割をしており、成長円錐の伸長方向を制御する分子の存在が想定されている。現在までにcollapsin-1は神経培養系の実験により、成長円錐の抑制性ガイド因子(repulsive guidance cue)であることが示唆されている。しかし、生体内でcollapsin-1がどの神経回路形成過程に関わっているのかは分かっていない。そこで、collapsin-1欠損マウスを作製することにより、生体内でのcollapsin-1の神経回路形成過程での役割を明らかにし、その神経回路形成異常の脳機能への役割についての検討を試みた。 collapsin-1 欠損マウスは遺伝的背景が、CD-1とC57BL/6マウスである2種類を得た。CD-1系collapsin-1欠損マウスの多くは生後すぐに死亡した。このマウスの死亡原因について検討したところ心房中隔欠損が認められた。一方、C57BL/6系欠損マウスは大部分が成長し、心房中隔欠損は認められなかった。このように遺伝的背景により、形態異常に差が認められた。生き残る欠損マウスは、CD-1とC57BL/6系とも交配は可能である。また、collapsin-1の代わりにlacZを発現するマウスを使用して、collapsin-1の発現を解析した。その結果は、報告のあるIn situ hybridizationの結果とほぼ同じであったが、異なるところもあった。さらに、collapsin-1欠損マウス胚を用いて神経回路形成の異常解析を行った結果、幾つかの神経回路形成の異常が明らかとなった。
|