研究課題/領域番号 |
08770049
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
鷹股 亮 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00264755)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 浸透圧調節 / 体温調節 / 飲水 / ナトリウム利尿 |
研究概要 |
体温調節系と浸透圧調節系は密接に関連しあって機能している。我々はヒトにおいて体温の上昇が浸透圧調節系の機能を浸透圧依存性に亢進させることを明らかにしてきたが、ラットを用いた実験モデルを作成してそのメカニズムを更に明らかにすることを目的とした。 ラットを用いた実験モデルを作成するにあたって、先ずラットの浸透圧刺激性飲水パターンを明らかにするための実験を行った。ラットの側脳室内に高張性の人工髄液を持続注入して飲水量を測定した。また、容量刺激による飲水のパターンと浸透圧刺激性の飲水パターンを比較するため、利尿剤であるfurosemideを投与した際のラットの飲水量も測定した。浸透圧刺激は直ちに飲水を惹き起こしたのに対し、容量調節系の飲水の発現は、浸透圧刺激性の飲水に比べて有意に遅れ、更に長時間にわたって持続することが明らかとなった。この実験よりラットの飲水パターンは、イヌ等の動物と比べヒトのそれに近く、実験のモデル動物として妥当であることが明らかになった。しかし、ラットは、浸透圧刺激によりナトリウム利尿が起こって浸透圧調節に働く点はヒトとは異なる反応を示した。 体温上昇の浸透圧刺激飲水に対する影響を明らかにするためにラットに浸透圧刺激を加えた後の飲水量を高温環環境下(32℃)とラットにおける中性温度域である24℃の環境温下で比較した。室温32℃の環境下でラットの体温は、0.5℃から1℃上昇し、飲水量は体温の上昇により約30%低下した。この結果は、ヒトにおける反応とは異なった。体温の上昇によりラットの行動量が低下したことが飲水行動の抑制を惹き起こしたものと考えられる。現在、血漿バゾプレッシング濃度の測定を行っており、血漿バゾプレッシングの反応よりラットにおける体温上昇による飲水量の低下が、浸透圧調節系に対する抑制なのか行動の抑制であるのかが明らかになると期待される。また、ラットの体温の上昇を環境温の上昇にではなく、thermodeを用いて上昇させる実験も計画中である。
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