研究課題/領域番号 |
08770075
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
田中 光 東邦大学, 薬学部, 講師 (40236617)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 共焦点レーザー顕微鏡 / 蛍光プローブ / 心筋 / カルシウムスパーク / 興奮収縮連関 / cAMP / 筋小胞体 / ryanodine |
研究概要 |
高速走査型共焦点レーザー顕微鏡とカルシウム蛍光プローブfluo-3およびミトコンドリアに局在するtetramethylrhodamineを用いて心筋細胞内のスパークと呼ばれる微小領域での非伝搬性のCa^<2+>濃度上昇の性質を検討した。 スパークは細胞質内全体で発生し、ピークまでの時間は約10ms、35msであった。Ryanodineはスパークの発生を完全に抑制した。Nicardipineはスパークの発生頻度、振幅および時間経過に影響を与えなかった。Isoproterenolはスパークの発生頻度および時間経過に影響を与えずにその振幅を増加させた。電気刺激により惹起したCa^<2+>transientの立ち上がりの約5msの間にCa^<2+>濃度上昇の速い部分と遅い部分が見られた。Ca^<2+>濃度上昇の速い部分は約2μm間隔で規則的に分布しており、スパークの発生する地点と一致していた。Tetramethylrhodamineをミトコンドリアに局在させてカルシウムと同時測定すると、ミトコンドリアの染まらない部分でCa^<2+>濃度上昇が速いことがわかった。この細胞のsarcomereの長さがほぼ2μmであり、Ca^<2+>濃度上昇の速い部分はT管と対応している可能性が高い。 スパークの分布および薬理学的性質は、スパークが筋小胞体のryanodine receptor channelからの自発的Ca^<2+>放出であることを示唆する。Ca^<2+>transientの初期にスパークに酷似した微小領域でのCa^<2+>濃度上昇が多数の地点で観察されたことは、スパークがCa^<2+>放出の単位であり、これが細胞質全体で同時に発生したものが収縮時のCa^<2+>transientであることを示す。Isoproterenolやforskolinによるスパークの振幅増大はcAMP依存性のリン酸化等によりCa^<2+>放出の単位が修飾される可能性を示唆する。
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