研究課題/領域番号 |
08770079
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 寿一 北海道大学, 医学部, 助手 (30212187)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ゲルゾリン / ゲルゾリンに結合タンパク質 / Rho / Rac / CDC42 / Two-hybrid System / Far-western blotting法 |
研究概要 |
近年、低分子量Gタンパク質のサブファミリーであるRho/Rac/CDC42は細胞骨格の再構築に関係し、様々な細胞の運動性や癌細胞の転移にも関与していることが明らかにされてきている。細胞の運動性は、アクチンの重合-脱重合により規定されており、アクチン調節タンパク質ゲルゾリンはアクチンに対して、直接的に作用するエフェクター分子であるが、また同時にRho/Rac/CDC42からの細胞骨格再構築のためのシグナルのアクセプターであると考えられる。本研究では、酵母を利用したTwo-hybrid SystemやグルタチオンSトランスフェラーゼフュージョン・タンパク質をプローブに用いてFar-western blotting法を用いて、ゲルゾリンと相互作用するタンパク質(GIP)を同定し解析することで、Rho/Rac/CDC42からの細胞骨格の再構築シグナル・カスケードを明らかにすることを目的とする。 1)ゲルゾリンに相互作用するタンパク質(Gelsolin Interacting Protein = GIP)のcDNAクローニング a)酵母の転写因子であるGal4のDNA結合領域を有する発現ベクターに翻訳フレームが一致するようにゲルゾリンcDNAを組み、選別用酵母細胞株に導入した。さらにMouse brain cDNAライブラリー5×10^5クローンをトランスフェクションし、選択培地で生存する酵母クローンを得てcDNA (MB#3およびMB#10)を回収した。ジデオキシ法により、それらの塩基配列を決定し、遺伝子バンクを検索した結果、クローニングしたcDNAはmitocondria由来疎水性タンパク質(MB#3)およびagrin (MB#10)とのホモロジーが検出されたが、いづれの場合にも短いアミノ酸しかコードしておらず、GIPの候補cDNAとは考え難く以下に記す方法に変更した。 2)ゲルゾリンに相互作用するタンパク質(Gelsolin Interacting Protein = GIP)の検索 ゲルゾリンのN末端約半分G1-3およびC末端約半分G3-6cDNAをグルタチオンSトランスフェラーゼ・タグを有する大腸菌での発現ベクターに組み込み発現して、グルタチオン・カラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。これらのフュージョン・タンパク質をプローブに用いて、Far-western blottingによりマウス線維芽細胞NIH/3T3の細胞抽出液を解析したところ解析したところ、分子量約72,000の、ゲルゾリンのN末端約半分G1-3に特異的に結合するタンパク質を見い出した。今後、ゲルゾリンのN末端約半分G1-3のフュージョン・タンパク質をプローブに用いて、NIH/3T3の発現ライブラリーをスクリーニングし、ゲルゾリンに相互作用するタンパク質(Gelsolin Interacting Protein = GIP) cDNAをクローニングし、cDNAの特徴的な配列、また既知の遺伝子であるかどうかについて検索し、その細胞生物学的解析を抗血清あるいはモノクローナル抗体を作製し免疫組織学的手法などを用いて細胞内での局在を検討していく予定である。
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