研究課題/領域番号 |
08770090
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中福 雅人 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (80202216)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 神経発生 / 幹細胞 / ニューロン / グリア / 転写因子 |
研究概要 |
哺乳動物の中枢神経系を構成するニューロン及びグリアの多様な細胞系列は、いずれも共通の神経幹細胞より発生する。しかしながら、この多能性幹細胞についての知見は未だ限られたものに留まっている。我々は最近ラット胎児脳より多能性神経幹細胞由来の不死化細胞株を樹立し、これを用いて幹細胞よりニューロン及びグリアが発生、分化する過程を試験管内で再構成するモデル系を作成することに成功している。本研究ではこの細胞株を用いて、多能性幹細胞の増殖と分化の分子機構を解析した。分化制御分子の候補として、転写因子であるMash-1およびProx-1遺伝子に着目し、その発現動態および機能を解析した。特異抗体を用いた免疫染色法及びウエスタン解析法により、Mash-1,Prox-1両遺伝子産物が、幹細胞が分化する過程で一過的に発現誘導されることを見出した。さらにMash-1発現細胞は、幹細胞のマーカーであるネスチンの発現が陰性となるとともにProx-1を発現し、これに引き続いてニューロン、グリアへと分化した。Mash-1遺伝子の機能をさらに解析する目的で、遺伝子導入により強制発現細胞株を樹立した。Mash-1の発現により、幹細胞はネスチン陰性でしかも種々の分化マーカーを発現していない特異な細胞へと移行した。さらにMash-1の発現によってProx-1の発現が誘導された。本研究によって、中枢神経系においては多能性幹細胞からの分化過程に他段階のステップが存在し、このうちMash-1遺伝子は神経幹細胞が分化を開始する最も初期の過程で発現・機能し、Prox-1などの下流の遺伝子の発現を制御することが明らかになった。
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