研究課題/領域番号 |
08770101
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
柳 茂 神戸大学, 医学部, 助手 (60252003)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | CD45 / チロシンホスファターゼ / Lyn / チロシンキナーゼ / Syk / B細胞抗原受容体 |
研究概要 |
CD45はB細胞抗原受容体を介する情報伝達に重要な役割をする受容体型チロシンホスファーターゼであり、LynなどのSrcファミリーチロシンキナーゼを基質とすることが知られているが、未だ詳細なメカニズムは不明である。そこで我々は、ニワトリB細胞株(DT40)より遺伝子相同組換え法を用いてCD45欠損変異株を樹立し、機能を解析した。その結果を以下にまとめる 1.ニワトリB細胞株(DT40)より遺伝子相同組換え法を用いてCD45のmRNAの発現が検出されない欠損変異株の樹立に成功した。 2.CD45欠損変異株において抗原受容体刺激による細胞内Ca^<2+>濃度の上昇および蛋白質チロシンリン酸化反応は著しく抑制されており、Lyn欠損変異株のそれと類似のパターンを示した。 3.CD45欠損変異株においてLynのチロシンリン酸化は非刺激時より著しく亢進していたが、チロシンキナーゼ活性は著しく抑制されていた。 4.Lynの特異的な生理的基質の1つと考えられているCblの抗原受容体刺激によるチロシンリン酸化の亢進も抑制された。 5.CD45欠損変異株におけるLynのリン酸化状態をペプチドマップで解析した結果、自己リン酸化部位およびC末の活性制御部位の両方にチロシンリン酸化が亢進していた。 6.CD45欠損変異株においてSykの活性は正常もしくは活性化傾向が認められた。 結論としてCD45はLynの自己リン酸化部位およびC末の活性制御部位の両方の脱リン酸化に関与しており、とくにC末の活性制御部位の脱リン酸化によるLynの活性化が、B細胞抗原受容体を介するシグナル伝達に重要な役割をしているが明らかとなった。さらに、Sykに関してはむしろ負に制御している可能性を示唆した。
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