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細胞におけるグルタチオン-シスプラチン結合体の形成と排出機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08770105
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 病態医化学
研究機関長崎大学

研究代表者

後藤 信治  長崎大学, 医学部, 助手 (50186889)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードグルタチオン / シスプラチン / 薬剤耐性 / グルタチオン S-トランスフェラーゼπ
研究概要

1.実験方法
ヒト培養癌細胞株として、卵巣癌細胞、大腸癌細胞と各々のシスプラチン(CDDP)耐性株を用いた。細胞でのGlutathione S-transferaseπ(GSTπ)のmRNA及びタンパク質の発現は、Northern blot法とWestern blot法により解析した。グルタチオン-シスプラチン結合体(DDP-GSH)の形成量測定は、HPLCを用いて行った。更に、ヒト胎盤からGSTπを分離精製しGSTπのCDDP-GSH結合反応への関与を検討した。
2.結果
GSTπのmRNA及びタンパク質の発現は、各々の耐性株で親株より有意に増加しており、CDDPに対する耐性度に相関していた。GSTπの酵素活性阻害剤として既に報告されている、エタクリン酸またはケトプロフェンをCDDPと同時に細胞に投与すると、CDDP単独投与の場合と比較して、細胞内でのDDP-GSHの形成量が有意に減少した。in vitroでのDDP-GSH形成反応は酵素非存在下でも緩徐に進行することが既に報告されているが、ヒト胎盤から分離精製したGSTπを結合反応系に添加すると、酵素非存在下の場合と比較して結合体の形成量が有意に増加した。形成量は、酵素量依存性に増加した。これらのことより、GSTπは、DDP-GSH形成反応を触媒することが明らかとなった。更に、CDDP耐性細胞でのDDP-GSH形成能増加は、GSTπの発現増加によることが示唆され、GSTπがCDDPの解毒に関与することが示唆された。以上の知見に関しては、現在、論文を投稿中である。
また、今回使用した細胞株では、多剤薬剤耐性関連タンパク質(MRP)とは、明らかに分子量が異なるCDDP-GSHの膜輸送タンパク質が、耐性株に高発現していることが判明した。その膜輸送体の構造解析に関しては、現在、精製に関する基礎実験の段階である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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