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上皮性分化を示す骨軟部腫瘍におけるFISH法による細胞遺伝学的分析

研究課題

研究課題/領域番号 08770129
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 人体病理学
研究機関徳島大学

研究代表者

長谷川 匡  徳島大学, 医学部, 助手 (40281167)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード上皮性分化 / 骨軟部腫瘍 / FISH法 / 細胞遺伝学
研究概要

本年度の研究として、腫瘍症例のホルマリン固定パラフィン包埋材料からFluorescence In Situ Hybridization(FISH)法で染色体異常が実際にどのように検出されるかを知る目的で、予備的な研究を行った。
材料として、肺芽腫と組織学的に鑑別を要するまれな胸膜肺芽腫(pleuropulmonary blastoma)の症例を用いて、病理組織学的および免疫組織化学的検索、およびFISH法で染色体異常を解析した。
症例は、29ケ月の男児の右肺上葉および胸膜に発生した腫瘍である。組織学的に、腫瘍は未分化な間葉系細胞から構成され、時に横紋筋芽細胞および軟骨細胞への分化を示していた。免疫組織化学的に、多くの腫瘍細胞にvimentin免疫反応がみられ、横紋筋芽細胞はmyoglobin、desmin、actinに、軟骨細胞はS-100にそれぞれ陽性反応を示していた。
第2、7、12、17、18番染色体およびX染色体に対するalpha satellite centromereプローブとtotal chromosomeプローブ(Oncor社)を用いて、パラフィン切片上でFISH法を行い、検出プローブのアピジン-FITC染色によって蛍光顕微鏡下にそのシグナル数を算定した。その結果、胸膜肺芽腫の腫瘍細胞の大多数で、第2番染色体のトリソミ-が見いだされた。この結果は胸膜肺芽腫の培養細胞を用いた以前の染色体分析の結果と一致していて、第2番染色体は通常一対である肺芽腫とは細胞遺伝学的にも異なり、本腫瘍における特異的な染色体異常である可能性が強く示唆された。さらに本腫瘍でみられた横紋筋芽細胞への分化は、腫瘍発生における胎児型横紋筋肉腫との近似性を考察させた。
本研究によって、ホルマリン固定材料を用いたFISH法解析はretrospectiveな染色体異常の検索に有用であることが示され、今後の研究として滑膜肉腫における特徴的な相互転座t(X,18)を検出する上で重要な手段になるものと思われた。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Peng Yang et al.: "Pleuroqulronary Blastoma:Fluorescence In Situ Hybridization Analysis Indicating Trisomy2" The American Journal of Surgical Pathology. 21. (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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