研究課題/領域番号 |
08770156
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅野 祐幸 大阪大学, 薬学部, 助手 (40252663)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / Epstein-Barrウィルス / 膿胸 / サイトカイン / 慢性炎症 / 免疫学的監視 / HLA |
研究概要 |
1)PAL細胞株における免疫抑制性サイトカインの発現をmRNAレベルで検索したところ、EBV潜伏感染抗原の発現がより強いOPL-1においてのみIL-10mRNAの発現を認めた。OPL-1培養上清中にIL-10蛋白の産生をELISAにて確認し、またOPL-1を樹立した症例の生検時血清中にも高いIL-10蛋白を認めた(Am.J.Pathol.)。従って、ウイルス抗原陽性のリンパ腫が発生する過程で、腫瘍細胞の産生する免疫抑制因子が免疫学的監視からの逸脱に寄与する可能性が示され、PALの場合、その候補としてIL-10が考えられた。 2)PAL患者14例のHLA-A allotypeを決定したところ、各allotypeの頻度は日本人正常populationのそれとの間に差を認めなかった(manuscript in preparation)。PALの発生はHLA-A allotypeのみでは規定されないことが明らかになった。HLA-A allotypeとの組み合わせにおいてCTLを誘導するEBV抗原の抗原決定基領域に変異を来している可能性が考えられ、現在その塩基配列の検索の準備を進めている。 3)我々の樹立したPAL細胞株(OPLs)におけるHLA class I分子の発現にはvariationがあった。 よって、precancerousな状態とされるLCLにおける発現抑制の重要性が示唆された。そこで、炎症性サイトカインによるin vitroでのHLA mRNA発現変動誘導の可能性をRT-PCRにて検討したところ、IL-6の添加によりA11-allotype-specificにmRNA発現のdown-regulationが誘導されるpreliminaryな結果を得ている。現在、Northern法及び蛋白レベルでの変動の検討、また別のallotypeのLCLについても検討の準備を進めている。
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