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HIV-1 vpr蛋白質が誘導する細胞分化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08770224
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 ウイルス学
研究機関麻布大学

研究代表者

西野 佳以  麻布大学, 獣医学部, 助手 (00271544)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードヒト免疫不全ウイルス / アクセサリー遺伝子 / vpr / NIH3T3 / 細胞周期 / 細胞増殖抑制 / 遺伝子導入 / G_2アレスト
研究概要

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)は、ヒトの後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルスであり、自身の複数に必須でないアクセサリー遺伝子群を持つ。その産物の一つであるVpr蛋白質の機能は充分に解明されていないが、これまでに持続感染の阻害、細胞周期のG_2期停止による細胞増殖の抑制あるいは細胞分化の誘導が報告されている。また、Vpr蛋白質自身に核移行性があり、C末端にロイシンジッパー様配列が存在することから、何らかの細胞側因子を介してウイルスの持続感染やAIDS発症を調節している可能性が示唆されている。本研究では、細胞の増殖や分化に与えるVpr蛋白質の影響を明らかにするため、HIV-1の標的細胞であるリンパ球、単球/マクロファージ系細胞を含む各種培養細胞にvpr遺伝子を導入し解析を行い、以下の結果を得た。
1.vpr発現プラスミドベクターを、ヒトリンパ球系株化細胞であるJurkatおよびMolt4、ヒト前骨髄球性細胞株であるHL60、前単球性細胞株であるU937、サル腎株化細胞であるCOS1に導入し、薬剤によるVpr発現細胞の選択を行ったが、いずれの細胞も著しい増殖性の低下を示し、7-21日後には観察しえなくなった。
2.同ベクターをマウス繊維芽細胞であるNIH3T3に導入したところ、薬剤耐性細胞が出現した。しかしながら、その細胞コロニーは陰性対照ベクターを導入した場合の8-20分の1と小さく、増殖速度の低下が認められた。また、一過性発現の系における倍加時間も、陰性対照細胞が16-19時間であったのに対しvpr導入細胞では24-25時間と増加した。
3.vpr導入COS1細胞とNIH3T3細胞の細胞周期をフローサイトメーターで解析したところ、COS1細胞はこれまでの報告同様にG_2期で停滞していたが、NIH3T3では特定の周期での停滞は認められなかった。
以上より、Vprによる細胞増殖抑制はG_2期停止以外の経路も存在することが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshii Nishino: "Human Immunodeficiency virus type 1 vpr gene product prevents cell proiiferation on mouse NIH3T3 cells without the G2 arrest of the cell cycle" Biochemical and Biophysical Research Communications. (発表予定).

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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