研究課題/領域番号 |
08770236
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川島 博人 大阪大学, 医学部, 助手 (50260336)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 接着分子 / L-セレクチン / リガンド / リンパ節 / バキュロウイルス |
研究概要 |
白血球接着分子L-セレクチンと高内皮細静脈(HEV)上のリガンド分子との結合は、リンパ球ホ-ミング現象の特異性の決定に重要である。すでに、リンパ節におけるL-セレクチンのリガンドとしてGlyCAM-1およびCD34が報告されているが、われわれはそれ以外の分子がラットリンパ節に存在する可能性を指摘してきた。本年度はラット可溶性L-セレクチン(LECーIgG)をプローブとして、このリガンドの大量精製を行い、その部分アミノ酸配列の解析を行うとともにその特異性を解析した。はじめに、固相化LEC-IgGーアフィニティーカラムを用いて、ラットリンパ節の組織片の可溶化物から180kDaのリガンド分子(p180)の大量精製を行った。得られた精製標品を用いてN-末端部分アミノ酸配列の解析を行ったところ、ヒトおよびマウスのC型レクチンの一つであるマンノースレセプターと高い相同性を有していた。マンノース-BSAを用いた結合実験から、p180が実際にマンノース特異的なレクチン活性を持つことが明らかとなった。さらに、p180とLEC-IgGの結合はαーメチルマンノシドによって濃度依存的に阻害され、100mMで完全に結合が阻害された。われわれはこれまでバキュロウイルス/かいこ発現系を用いて作製したLEC-IgGをプローブに用いてきたが、この発現系ではオリゴマンノース型の糖鎖付加が起こることが知られており、この糖鎖部分がマンノース特異的なレクチン活性を有するp180によって認識されたものと考えられた。そこで、COSー7細胞を用いた発現系により作製したLEC-IgGとp180の結合を調べたところ、全く結合は見られなかった。これらの結果から、p180とLECーIgGの相互作用はp180側のレクチン活性により担われており、p180はL-セレクチンの生理的なリガンドではないことが示唆された。
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