• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

鉛取扱作業者における鉛の摂取経路について

研究課題

研究課題/領域番号 08770254
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 衛生学
研究機関帝京大学

研究代表者

苅田 香苗  帝京大学, 医学部, 助手 (40224711)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード血中鉛 / 経口摂取 / 爪 / 鉛取扱い作業者
研究概要

<研究目的>鉛取扱い作業者の顔面皮膚や爪に付着している鉛濃度と血中鉛濃度との関連を調べ、作業者への鉛の摂取経路について検討し、鉛取扱い作業場でのより適切な衛生管理の指標を提示することを目的とした。
<対象と方法>1.国内2カ所の精錬作業所で、低および中レベルの鉛曝露を受けている36名を対象に調査を行った。対象者が作業をしばらく行った後、洗顔を行っていない状態で、消毒綿により両頬と額の拭き取りを行うとともに、作業合間に手洗いを行っていない状態で対象者の左右の手の爪を収集した。対象者の作業・衛生行動、喫食・喫煙習慣、保護マスクの使用について自記式質問紙を用いてあわせて調査した。
2.清拭後の消毒綿と汚れが付着した状態の爪、および職場の定期健診時に肘静脈採血により得られた対象者の血液を高純度硝酸で湿式灰化し、適宜希釈後、原子吸光光度計によりそれぞれの鉛濃度を分析した。
3.作業環境中鉛の摂取経路を調べるため、作業中、作業者の顔面に電顕用伝導性テープを密着させ、吸着した環境中浮遊粒子の粒径分布を顕微鏡下で観察し、X線ミクロアナライザーにより粒子構成元素の分析を行った。
<結果と考察> 対象者の顔面皮膚および爪に付着していた鉛量は、どちらも血中鉛濃度と正に相関していることが認められた。作業者の頬に付着していた粒子を走査電子顕微鏡下で観察したところ、粒径10μm以上の大粒子の存在が確認され、それら粒子の含有元素を分析したところ、鉛が主成分の1つとして検出された。重回帰分析により作業者の血中鉛濃度に影響を及ぼす要因として、顔や爪に付着していた鉛量のほかに、作業中の喫煙本数が有意な因子として選択された。鉛作業者の鉛摂取については、従来より経気道的経路が注目されているが、本研究により経気道吸入され得ない鉛含有の大粒子を、作業者が顔面皮膚や手指を経由して経口摂取する可能性が示された。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kanae Karita: "Possible oral intake via contaminated facial skin" The Science of the Total Environment. (In press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi