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成人病における一酸化窒素ラジカル合成酵素(NOS)の分子疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08770267
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 公衆衛生学・健康科学
研究機関金沢大学

研究代表者

長瀬 博文  金沢大学, 医学部, 講師 (00251918)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード一酸化窒素 / 高血圧症 / 硝酸イオン / 亜硝酸イオン
研究概要

今回は、わが国の成人病の中でも多くを占める高血圧症に絞り検討した.特に、高血圧症の病態における一酸化窒素の役割を検討するため、高血圧患者と健常人の一酸化窒素の最終代謝産物(硝酸イオン及び亜硝酸イオン)の濃度を、近年開発されたMiskoらの方法にて測定した.この方法は、2、3-diaminonaphtaleneと亜硝酸イオンを酸性条件下で反応させ、1-naphthotriazoleを生成し、この化合物の蛍光を測定することにより亜硝酸イオン濃度を測定するものである。また、硝酸イオン濃度はnitrate reductaseの作用によって亜硝酸イオンに変化させたのちに測定した。
服薬および治療を受けていない健常人の平均亜硝酸イオン濃度(±標準偏差)は男性4.3±2.0μmol/l、女性3.5±1.7μmol/lまた平均硝酸イオン濃度は男性48.6±44.4μmol/l、女性48.7±47.7μmol/lであった。性・年齢別に血清硝酸及び亜硝酸イオン濃度を検討したところ、男性の亜硝酸イオンは、全年齢を通じて女性より高値であった。しかし、男女とも年齢の違いによる差は認められなかった.また、健常人における血清中の硝酸イオンと亜硝酸イオンは、血圧レベルとは有意な相関を認めなかった.
高血圧症との関わりを検討すると、降圧剤を服用している患者の亜硝酸イオン濃度は健常人より有意に低く、一方、高血圧患者の硝酸イオン濃度は健常人のそれより有意に高かった。そこで、高血圧罹患期間との関係を年齢も考慮して検討すると、より長い罹患期間を有する患者が高い血清硝酸イオン濃度を示していた.これらの結果は、高血圧症の進展するに従って一酸化窒素の産生が増加する傾向があることを示唆している.高血圧症の長期罹患に伴う動脈硬化といった病理学的プロセスに一酸化窒素産生が関わっているという仮説を指示するものであった.今後はさらに一酸化窒素合成酵素(NOS)のpolymorphismと成人病との関連も検討していく予定である.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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