研究課題/領域番号 |
08770302
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
山崎 浩史 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 研究員 (30191274)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | チトクロームP450酵素 / チトクロームb_5 / 大腸菌 / ヒト肝ミクロゾーム / CYP3A4 / 薬物相互作用 / エリスロマイシン / リコンビナント |
研究概要 |
併用されたくすりの相互作用により、臨床上重篤な副作用が引き起こされた医療事故が契機となり、薬物相互作用の機序とその予測に関する研究が注目を集めている。現在知られている薬物相互作用の多くは、くすりの代謝過程において、チトクロームP450酵素(以下P450又はCYP)の阻害によるものとされている。そこでP450酵素の代謝阻害と酵素誘導に焦点をしぼり、主に大腸菌に発現させた精製ヒトP450酵素を用いる再構成系を用いて研究を進め、ヒト肝ミクロゾームと対比させることにより以下の成果を得た。 1.ヒト肝ミクロゾームの主要なP450分子種であるCYP3A4は、P450還元酵素、チトクロームb_5(b_5)、混合リン脂質、コール酸を用いる再構成系により、還元型グルタチオン、塩化マグネシウム存在下、HEPES緩衝液中で反応させることにより、肝ミクロゾームに相当する十分な触媒活性を示すことが明らかになった。b_5は電子伝達系に含まれるヘム蛋白であるが、そのCYP3A4触媒活性促進作用は、電子の流れを介することなく、CYP3A4とP450還元酵素のとの複合体形成にb_5が関与していると推察され、b_5を要求する他のP450分子種、例えば、CYP2E1に対する活性促進作用機序とは異なることが示唆された。 2.臨床上相反する薬物相互作用に関する報告があるマクロライド系抗生物質のうち、エリスロマイシンとその誘導体のP450酵素の阻害、代謝を受ける分子種及び誘導作用について検討した。エリスロマイシンはラットとヒトのCYP3A酵素によって代謝を受け、阻害作用を示すのみならず、CYP3Aの誘導作用も合わせ持つことが判明し、この程度の違いが相反する報告の一因となることが示唆される。
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