研究概要 |
周期性血小板減少症の周期形成の機序として、(1)巨核球の産生変化、(2)巨核球内での血小板産生変化、(3)血小板の破壊の変動、があることを我々は明らかにしてきた。更に、我々は、今回末梢血中に流出するRNAを含んだ血小板(reticulated platelet;RP)を測定することでこれまで困難と考えられてきた血小板回転を血小板数の周期毎に観察することを試みた。RPは、Thiazole Orangeで染色した血小板をflow cytometryを用い計測した。【結果】破壊亢進の周期を持った症例では、RP/Plt.比は0.05〜2.33と46.6倍の変動を示し、RP数は、1.03〜3.24(x10^3/μl)と変動した。周期的な巨核球産生の変化を示す症例では、RP/Plt.比は0.06〜2.64,RP数は、0.16〜3.75であり、巨核球成熟の変動のみられる症例では、RP/Plt.比は0.31〜0.63,RP数は、1.96〜3.03であった。【結語】RPの観察結果は、骨髄穿刺を行って計測した巨核球動態とよく合致し、RP測定により患者負担の軽減が期待された。また、RP測定の欠点である、血小板産生、破壊の識別を解決するために必要なデータの一部が得られた。
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