研究課題/領域番号 |
08770332
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小笠原 孝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50204053)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 自己抗体 / 抗U1RNP抗体 / 抗U1RNA抗体 / モデルマウス / プリステン / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
1.BALB/c-byJマウス血清の回収:順次21匹のマウスにPristane(プリステン)の腹腔内注射を施行し、平均2.5週間隔で各マウスの採血(尾血管)を行い、自己抗体の検出・測定を行った。 2.免疫酵素抗体法(ELISA)及び免疫沈降法(IP)による自己抗体の検出:ヒトの半分の血清量で免疫沈降法を通常に行い十分な検出感度・精度を得られた。メチオニン標識及び^<32>P標識HeLa抗原を用いた(hot)IP(hot)と銀染色でのcold IPDを駆使し検討した結果、機械油の一つであるプリステンのみにて注射後約4カ月より各種自己抗体が検出されはじめた。その種類は抗Su、抗RNP、抗tRNA、抗7-2RNA、抗Smなど多岐に渡り従来ヒトで疾患関連性を強く示唆されているものがあった。 ELISAによるU1RNA、U1RNP構成polypeptide各鎖に対する抗体検出:免疫沈降法で5例(23.8%)に抗U1RNP抗体の誘導を確認した。in-vitro精製のU1RNAを用いたELISAにて内4例に抗U1RNA抗体活性を検出しえた。同抗体の免疫グロブリン型を検討するとIgG型が注射後約60日以降より徐々に増加していたが、注射後30-40日頃をpeakにIgM型抗U1RNA抗体の先行出現が認められた。一方構成polypeptide各鎖に対する自己抗体はほぼ同時期に出現しはじめ反応組み合わせに特異な型は認められなかった。これは採血周期の短縮で知見が深まると思われた。以上より抗U1RNAの出現誘導はIgMからIgG型となされている可能性と構成petideに対する抗体に先行しU1RNAに対する抗体が出現する可能性が示唆されていた。自己抗体の出現及び累積出現率は既報告に近似する出現時期がやや遅い半面、出現抗体の種類は特異性の高いものが含まれるなど差異がみられた。微妙な遺伝因子の違いのみならず飼育環境、共存ウイルスなど環境因子の影響が示唆されたと考えられる。
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