研究課題/領域番号 |
08770352
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
佐々木 裕子 (岩城 裕子) 国立予防衛生研究所, 安全性研究部, 研究員 (10196181)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アポトーシス / CD95(Fas / APO-1) / HIV感染 / CD4陽性リンパ球 / CD8陽性リンパ球 / CD45RO陽性リンパ球 / CD45RA陽性リンパ球 |
研究概要 |
HIV感染者由来末梢リンパ球は、培養1日後で20-30%がアポトーシスを起こす(HIV非感染者由来細胞では10%以下)。CD4陽性細胞およびCD8陽性細胞ともにアポトーシスを起こすことから、CD4陽性細胞選択的細胞数減少の理由は不明である。今回、分離直後の末梢リンパ球表面におけるCD95発現強度(平均蛍光強度)をサイトフローメトリーにより調べたところ、CD4陽性細胞でのCD95発現がCD8陽性細胞での発現強度より若干強かった。全てのメモリー細胞(CD45RO+)はCD95陽性だが、特にCD4陽性メモリー細胞(CD45RO+CD4+)におけるCD95発現強度が、CD8陽性メモリー細胞のそれより強かったことから、CD4陽性メモリー細胞では、CD95発現が強いことが示唆された。HIV感染者の病期によってもCD95発現に大きな差が見られ、AIDS発症例では著しく強いCD95発現がCD4陽性細胞、CD8陽性細胞、メモリー細胞およびナイーブ細胞(CD45RA+)で観察され、無症状期感染者との明らかな違いがあった。ナイーブ細胞におけるCD95発現は、無症状期からすでに上昇し始めており、自己免疫疾患SLEでも報告があるように、異常なリンパ球活性化と免疫能異常との関連が示唆された。抗CD95抗体(clone CH-11)存在下における、一日培養後のリンパ球のアポトーシスレベルは、若干ではあるが有意にCD4陽性細胞でCD8陽性細胞より高く、HIV感染者におけるCD4陽性細胞のアポトーシスへの感受性の高さを示唆した(KatsikisらのデータJEM181:2029-2-36同様)。HIV感染者のCD4陽性細胞とCD8陽性細胞におけるCD95発現および誘導アポトーシスの違いは、CD4陽性細胞選択的細胞数減少の理由を説明するには不十分だが、少なくとも両細胞ポピュレーションに差があることが明らかになった。
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