研究概要 |
本研究の目的は、テロメアelongation及びテロメラーゼ陰性を示す胃癌・大腸癌に、テロメラーゼ鋳型RNAの変異が存在しないか確認することであり、実際の研究は1,胃癌(10例)、大腸癌(62例)におけるテロメア長の測定、テロメラーゼ活性の測定により該当検体をスクリーニングする。2,RT-PCRによるテロメラーゼ鋳型RNAの増幅条件の検討、3,実際の検体におけるSSCPによる変異の検出、の3段階の順に行われた。 1,テロメア長の検討では、大腸癌62検体で短縮24例、不変36例、伸長2例、胃癌10例では全例不変であった。テロメラーゼ活性の検討では、大腸癌62例中45例で陽性、17例で陰性、胃癌10例中9例で陽性、1例で陰性であった。その結果大腸癌では31例が、胃癌では1例が3)の検討対象となった。 PCRの最適プライマーを設定するため4セットを作成検討し、 プライマーA:5′-GCCTGGGAGGGGTGGTGGCC-3′ プライマーB:5′-GCGCGGGGAGCAAAAGCACG-3′ プライマーC:5′-GAACGGTGGAAGGCGGCAGG-3′ プライマーAとC,AとBの順にnested PCRを行う方法が最も良い増幅を示した。さらに目的のDNAが増幅されていることをシークエンスにより確認した。 3,現在大腸癌31症例、胃癌1症例についてRT-PCR, SSCPを終了し、大腸癌5症例でSSCP上異常バンドを確認している。現在この異常バンドがmutationによるものなのか、非特異的増幅産物であるのか、シークエンス解析中である。
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