研究概要 |
SrcmRNA、lckmRNA、yesmRNAの特異的な塩基配列に対して相補的な18塩基対のアンチセンスオリゴヌクレオチドと、その対照としてそれぞれのセンスオリゴヌクレオチドを作成した。オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレアーゼに耐性であるホスホロチオエ-ト化されたものを使用した。 Src、Lck、Yesを種々の程度に発現している大腸癌細胞株SW620、SW480、2x10^4/100μlに各種オリゴヌクレオチドを最終濃度が0、2.5、5、10、20、40、80μMとなるように加え、5日間培養した後、細胞数をカウントした。 オリゴヌクレオチドの種類にかかわらず80μM加えると、細胞増殖が軽度抑制された。これは、高濃度のオリゴヌクレオチド自身の細胞毒性と考えられた。 SW620にSrcアンチセンスオリゴヌクレオチドを加えると、同濃度のセンスオリゴヌクレオチドと比較して40μMと80μMの濃度で細胞増殖の抑制が見られた。(Srcセンスオリゴヌクレオチド40μM : 2.68【.+-。】0.26,Srcアンチセンスオリゴヌクレオチド40μM :1.68【.+-。】0.20,Srcセンスオリゴヌクレオチド80μM :1.70【.+-。】0.44,Srcアンチセンスオリゴヌクレオチド80μM :0.76【.+-。】0.09,単位は全てx10^5個)これとは対照的にLckおよびYesのアンチセンスオリゴヌクレオチドはセンスオリゴヌクレオチドと比較して細胞増殖の抑制を認めなかった。 SW480では各種オリゴヌクレオチド間で、細胞増殖に大きな差は見られなかった。
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