研究課題/領域番号 |
08770399
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
春田 郁子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80221513)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 肝癌 / 腫瘍新生血管 / 浸潤、転移 / 接着分子 |
研究概要 |
1) 肝癌原発巣での腫瘍栄養血管の新生と腫瘍増殖と、接着分子の果たす役割 肝癌切除標本で、癌部・非癌部に関して細胞接着分子、ビトロネクチンレセプターCD51/GPIIIaに対するモノクローナル抗体を用いて免疫組織染色を行った結果、癌部の血管内皮上に有意にその発現の増強がみられた。この傾向は、ウエスタンブロットにても再現性が認められ、protein lysateを用いて解析した結果、単位蛋白重量当りで癌部組織protein lysateに有意にその発現の増強が認められた。肝癌において、新生血管内皮上のビトロネクチンレセプターCD51/GPIIIa発現の増強が原因あるいは、結果となって、腫瘍の増殖に影響しているものと考えられた。今後は、mRNAレベルの解析を進めていくと供にCD51/GPIIIaの機能をブロックするような合成ペプチド等を作製し、癌細胞の局所での増殖抑制の可能性を検討していく予定である。 2) 肝癌細胞の血管内への浸潤、及び転移部血管内皮細胞への接着・着床、転移病巣の形成に関する細胞接着分子の果たす役割 我々は、細胞接着分子の一つである血清中の可溶性VCAM-1の濃度に注目し検討を行った結果、コントロール群に比して肝癌で増加する傾向がみられ、更に単発例と比べ多発例で一層の増加傾向がみられた。以上の結果は、VCAM-1は血管内皮上に発現しておりVCAM-1のレギュレーションが癌の増殖・進展に関与している可能性が示唆されるものである。今後、組織レベルでのVCAM-1のmRNAの発現を解析し肝癌の転移・増殖のメカニズムを解明していく予定である。
|