研究概要 |
我々はOtsuka Long Evans Tokushima Fatty(OLETF)ラットの膵臓にCCK-A受容体が欠損していることを明らかにした(Otsuki M et al.Am J Physiol 268 E531-536,1995.Tachibana I et al.Am J Physiol 270 G730-737,1996)。その後、OLETFラット遺伝子解析の結果からOLETFラットがCCK-A受容体遺伝子の構造異常のためにCCK-A受容体の発現が認められず、OLETFラットが自然発症のCCK-A受容体遺伝子ノックアウトマウスであるとの報告がなされたことから(Takata Y et al.BIochem Biophys Res Commun 213;958-966,1995)、OLETFラットの膵臓、脳および胃を用いてCCKおよびCCK-A受容体mRNAの発現について検討した。生後72週の雄性OLETFラットおよびコントロールとしてLong Evans Tokushima Fatty(LETO)ラットおよびWistarラットを実験に用いた。大脳よりacid-guanidium phenol chloroform法によりRNAを抽出し、CCKのmRNAの発現をNorthern blot analysisを用いて、CCK-A受容体mRNAの発現をreverse transcriptase polymerase chain reaction(RT-PCRを用いて検討した。OLETFラットのCCK-A受容体mRNAの発現は膵臓では認められなかったが、脳および胃では認められた。脳のCCKmRNAの発現はLETOラットおよびWistarラットと同程度に認められた。OLETFラットのCCK-A受容体mRNAの発現は膵臓では認められなかったが、脳および胃では認められたことからOLETFラットがCCK-A受容体遺伝子ノックアウトマウスであるとは言えず、今後OLETFラット遺伝子の詳細な解析を進める予定である。
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