研究概要 |
1.作製した抗agrin抗体を用いて,免疫組織化学法でagrinの組織・細胞分布を検討した。Agrinは骨格筋においては神経筋接合部に局在した. 2.興味深いことにagrinは末梢神経にも分布していた。しかも末梢神経内膜基底膜にのみ発現していた.イムノブロット法でその分子量が400kDaであることが判明した. 3.シュワン細胞膜にはα-dystroglycanが発現していたことにより,これが末梢神経内膜基底膜agrinの受容体である可能性を検討した.精製したシュワン細胞膜α-dystroglycanは末梢神経のagrinにカルシウム依存性に結合した。Recombinant agrin C末端断片を作製した.Recombinant agrin C末端断片はシュワン細胞α-dystroglycanと結合し,末梢神経内膜基底膜laminin-2の結合と競合した.これらの結果はdystroglycanがシュワン細胞膜のlaminin-2とagrinの二重受容体であることを示すものである. 以上の結果はagrinの神経筋シナプス形成を含む生物学的機能の多様性を示すものである.
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