研究課題/領域番号 |
08770479
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
山崎 峰雄 日本医科大学, 医学部, 助手 (10277577)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | ビンスワンガー型痴呆 / 白質病変 / グリア細胞 / アポトーシス / p53 |
研究概要 |
大脳白質病変の成因に虚血による壊死以外の機序が存在する可能性があり、白質病変部グリアの細胞死にアポトーシスが関与するか否かを検討した.Binswanger型痴呆および白質病変(+)の多発梗塞性痴呆8例、白質病変(+)のAlzheimer病(AD)6例、白質病変(-)のAD2例、正常対照2例の前頭葉深部白質を剖検時に中性緩衝ホルマリンで固定(一部症例を除く)し、病変部位でのDNA断片化の検出(TUNEL法)およびp53抗原の発現を免疫組織学的に検討した. 結果:1.白質病変部は髄鞘染色では淡明化しており、グリア細胞の数も減少していた.HE染色では核が小径化したり、核の辺縁が不整なグリア細胞が観察されたが、明らかなアポトーシス小体は観察されなかった.2.大脳白質病変(+)症例の一部の、中等度障害部・健常部との境界部でグリア細胞にp53の発現(3.2〜10.4%)とDNA断片化(0.1〜1.0%)が観察された.3.TUNEL陽性グリアは白質粗鬆化の高度な部分より中等度部分および正常白質との境界に多く出現する傾向を有していた.4.GFAPとの二重染色では、TUNEL陽性グリアはGFAP陰性であり、その細胞の形状からオリゴデンドログリアと考えられた. 白質病変部において明かなアポトーシス小体は認められなかったが、p53陽性かつTUNEL陽性グリア細胞が白質病変部で観察され、同病変部形成にグリア細胞、特にオリゴデンドログリアの「アポトーシス類似の細胞死」が関連している可能性が示された.
|