研究概要 |
5週齢のSDラット24匹を研究に用いた。飼育開始一週目は全例普通食とした。二週目よりコントロール食群(C),66%フルクトース食群(F),コントロール食+0.2%トログリタゾン群(CT),66%フルクトース食+0.2%トログリタゾン群(FT)の4群に分けた(各群のNは6匹)。代謝ゲージにて尿中のカテコールアミンとナトリウム排泄量を測定し、血糖とインスリン測定のため毎週採血を行った。四週目にラットを断頭、開胸し心重量を測定後、心臓よりRNAの抽出を行い80℃で凍結保存した。 体重は、飼育開始一週目のコントロール期間では4群間に有意差はなかった。四週目にはF群、FT群はそれぞれのコントロール群に対し有意に体重の減少を認めた。F群とFT群の間に体重差は認めなかった。血圧と心拍数は全期間を通し4群間に有意差を認めなかった。心肥大の指標である心重量、心体重比および左室重量、左室体重比は4群間に有意差はなかった。また右室重量、右室体重比についても4群間に有意差はなかった。今回の実験では今までに報告されていた高フルクトース食による心肥大は認められなかった。しかし、心筋重量が増加する以前の心筋形質変化は否定できない。現在、心筋のα-およびB-myosin heavy chain geneと心肥大の早期の指標である心房性利尿ホルモンのm-RNAの発現を測定中である。また高フルクトース食群では体重が減少していることから、代謝性の変化の解析も進めている。
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