研究概要 |
【得られた結果】交感神経α受容体遮断により、収縮期逆流(SR)は増大し拡張期順流(DF)に対するSRの割合(slosh率=SR/DF)は増大し、slosh現象の増大が認められた。心筋血流量は、α受容体遮断後に心拍数140,220bpmにおいて全心筋血流量は増加したが、心内膜側心筋血流の低下傾向が認められた。頻拍時(心拍数250bpm)においては、α受容体遮断を行うことにより全心筋血流量は低下し、心内膜側心筋血流の低下が認められた。心外膜側細動脈の拍動性は、α受容体遮断により増大した(前:3.6±1.9%,後:8.2±4.8%,p<0.01)。 【総括】α交感神経刺激はslosh現象に対して抑制効果を示し、心内膜側心筋潅流に利することが示され、この効果は頻拍時により著明となることが示された。α受容体遮断時には心外膜側細動脈の拍動の増加が認められ、slosh現象の増加を支持する結果となった。以上より、α交感神経刺激は冠動脈細動脈のトーンを保つことにより心内膜側心筋潅流に有利に作用することが示唆された。
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