研究課題/領域番号 |
08770529
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
松岡 秀洋 久留米大学, 医学部, 助手 (80248393)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 交感神経 / 循環調節 / 一酸化窒素 / 一酸化炭素 / 中枢神経 |
研究概要 |
共にガス状シグナル伝達物質であり内皮由来血管拡張物質である一酸化窒素NOと一酸化炭素COの合成酵素は中枢神経系にも局在し交感神経活動や血圧調節に関与する。これらの合成阻害剤を中枢内に急性投与すると交感神経活動が亢進し血圧上昇がみられるが、長期の循環調節に対する中枢性NO及びCOの役割については未だ明らかでない。そこで今回末梢血管内皮に影響を与えない量のNO及びCOの合成阻害剤を浸透圧ポンプを用い脳内に長期間微量注入し血行動態の変化を検討した。7週齢の雄性Wistar ratの大槽に浸透圧ポンプに接続したシリコン チューブを挿入し、NG-monomethyl-L-arginine(L-NMMA)及び対照としてNO阻害作用を有しない光学異性体であるD-NMMAを、更にCO合成阻害剤としてzinc deutroporphyrin及び対照としてCO阻害作用を有しないdeutroporphyrinを一週間かけて持続投与し、この間の無拘束・覚醒状態の24時間血圧・心拍数の変化をテレメトリーにより持続測定した。観察終了後脳採取しNO産生の指標として脳内硝酸・亜硝酸(NOx)含量を測定した。L-NMMAによる慢性NO合成阻害はD-NMMA対照群に比し脳内NOx含量を明らかに低下させた(p<.05)。無拘束・自由行動下の血圧・心拍数及びそれらの変動性は24時間・日中・夜間何れにおいてもNO合成阻害・CO合成阻害共に変化しなかった。このことは、急性麻酔下実験の結果と相反するが、既に神経型NO合成酵素ノックアウトマウスの血圧が正常であるという報告と一致しており、慢性的には神経性NO及びCOが必ずしも降圧に作用しないことを示唆する。
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