研究課題/領域番号 |
08770533
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
河野 啓助 久留米大学, 医学部, 助手 (70258416)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 本態性高血圧症 / インシュリン / 交感神経 / 動脈圧反射 / レニン / 運動療法 |
研究概要 |
運動療法によるインシュリン抵抗性改善は神経性因子を介して血圧降下をもたらす。インシュリン抵抗性に高インシュリン血症をもたらし、末梢交感神経活性亢進や圧反射低下を介して高血圧発症に関与することが示唆されている。高血圧患者に対し運動療法を行うとインシュリン抵抗性の改善が認められるが、これが運動療法の降圧に果たす役割については明らかでない。そこで、高血圧患者の運動療法前後において、インシュリン抵抗性と神経性因子の関連を検討することにより、運動療法におけるインシュリン抵抗性改善による神経性降圧機序を明らかにする。未治療の本態性高血圧患者30例(男性17例女性13例、平均年齢 43±2歳)に対しVO2max75%の運動を6分間1日4回3週間施行し、その前後で24時間血圧により降圧度を評価し、頚動脈圧反射(BSI)、血漿レニン活性(PRA)、アルドステロン(PAC)を測定した。運動療法前後の経口糖負荷試験によりインシュリン反応直線下面積を測定しインシュリン抵抗性の指標とした。運動療法により24時間平均血圧は有意に下降し、AUCIは明らかに減少、BSIは明らかに改善した。降圧度とAUCIの減少度には有意な相関が見られ、運動療法による降圧に伴いインシュリン抵抗性が改善した。このインシュリン抵抗性の改善の改善と、運動療法によるBSIの改善度、PRAの低下度、及び24時間平均心拍数の低下度は有意に相関した。運動療法による降圧に伴いインシュリン抵抗性が改善した。インシュリン抵抗性の改善に伴い圧反射が改善し心拍数減少と血漿レニン活性の低下がみられたことより、運動療法による降圧に、インシュリン抵抗性の改善を介した神経性血圧調節機序の関与がHypertensionにfull manuscriptとして受理されている。
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